3D ベーシック講座 第2回 AG-3DA1での立体映像の記録

前回で説明した様にAG-3DA1は2眼式で、2眼式それぞれレンズからの映像で左右の目に対応する映像を作り自然な3D映像を撮影することができます。
ここでは2眼式3Dカメラの特徴、及び実際にどの様にして立体的な映像になるのかを説明します。


3Dの撮影スタイル
従来の3Dカメラシステムは既存のフィルムカメラや報道用カメラを2台組み合わせて構築し、この2台のカメラで視差を実現するために人間の目の間隔である65mm分を離して配置する方式が一般的な方法です。

図2-1 従来の3D撮影方法

これらの場合、小型のカメラでは並列に配置することも可能ですが、フィルムカメラや放送用カメラの様な
大型のカメラを使用する場合はカメラ本体やレンズが大型のため平行に設置することができずハーフミラー式
リグと呼ばれるフレーム等を使用して垂直にカメラを取り付けたり、プリズムを用いる必要があります。
この場合はどうしてもシステムが大型になり、また不快な3D映像を避けるために入念な二眼調整が必要に
なります。



一体型2眼式のメリット
AG-3DA1ではカメラ本体に2つのレンズ、カメラヘッド、メモリーカード記録部が搭載されています。
コンパクトなシステムでより機動的に、より自由なアングルで撮影が可能になるとともに、設定や調整のために
かかる時間を大幅に短縮しその分をクリエイティブな時間にまわすことが可能になります。


AG-3DA1での3D映像の撮影・・・一体型2眼式による撮影
人間の目で対象物を見た時に視線はある1箇所で収束します。これをレンズに置き換えると、この視線はレンズの光軸と同じになり、この光軸の収束点を基準面(コンバージェンスポイント)と言い、3Dの飛び出し感や奥行き感は、この基準面の距離を変える事で表現することができます。

AG-3DA1を使った撮影では、一定の両眼差をもった内蔵レンズにより、人間の目で見る立体感に近い自然な3D映像を撮影することができ、また光軸の角度を変えて基準面の距離を調節し飛び出し感を自由に変えることができます。


図2-2 基準面の調節による飛び出し感の可変




基準面と立体感の関係 : 基準面の手前と奥に被写体がある場合
図2-3では3種類のボールがあり、この場合の光軸が収束している点が緑色のボールの位置で、これが基準面になります。オレンジ色のボールはその収束点より手前にあり、青色のボールは緑色より遠い位置にあることを表しています。


図2-3



ボールをそれぞれ映像として見た場合、L/Rのレンズからは図2-4の様な映像がそれぞれ映ることになります。



図2-4 レンズL、レンズR を通して見える映像




図2-5 基準面と立体感の関係 1




視差量とは?
人間が物体を見る時、左眼と右眼で発生する視線方向の角度差を視差もしくは両眼視差といい、この差の
大きさを視差量といいます。人間の脳は左右の眼に映った視差のある二つの映像を統合して処理することで
奥行き感や立体感を感じます。視差量が大きいほど被写体の飛び出し量(または奥行き感)も大きくなります。




基準面と立体感の関係 : すべて基準面より手前にある場合
すべて基準面より手前にボールがある場合は図2-6の様にすべて飛び出し側に見えます。



* 実際にはレンズLの映像は左眼だけに見え、Rの映像は右眼だけに見えるためボールは1つと認識されます。

図2-6 基準面と立体感の関係 2





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